どうも、めんたいです。

今回は昨年12月17日に開催された「GWEC_GT7」Rd.2デイトナ6時間耐久レースのレポートをお送りします。

少し時間が経ってしまいましたが、昨日競技結果が確定しました。

この結果、めんたいレーシングの2台は

615号車 Team YesA Ichigo Racing with Mentai P5→P1🥇

111号車 Team e-sports space PLEASE with Mentai P7→P3🥉

となりました!

競技結果の確定が遅れたのには理由があったようですが、それについては後ほど触れるとして、まずは予選や決勝レースの運びについて振り返っていきます。

想像以上に苦しんだ予選・スタート

決勝レースに先立って12月12日~14日に予備予選兼Q1が、16日にはスーパーラップ予選が行われたのですが、ここでのタイムは想像よりも苦しかったです。

もちろんドライバーは全力を尽くしてアタックしてくれたのですが、ライバルがそれ以上にマシンに乗れているなという印象でした。

スタート時は、中団からのスタートではありましたがFタイプの直線の速さを活かしてある程度ポジションアップを狙っていました。

しかしながらスタート位置がオーバル区間の最後の方だったこともあり、トップスピードというよりは加速力が求められ、またすぐにインフィールドに入ってしまったため、コーナリング性能が求められる区間ではライバル(特にポルシェ勢)に抜かれるなど厳しいスタートとなってしまいました。

111号車の方に関しては、ドライバーの都合もありスタートからすぐにドライバー交代をする予定だったので、順位が上げられないことはあまり問題ではなかったのですが、615号車は90分(1スティントの上限)まで引っ張る予定だったので、本当は早めに抜いて自分のペースでコントロールして走りたかったのですが・・・

序盤はバトルの多い展開となってしまいました。

このとき、615号車は何か状況を打破できる策があれば良かったのですが思いつかず、ドライバーには苦しい思いをさせてしまったのは反省点です。

レース開始から2時間でSC導入・・・

レースも開始から2時間が経過し、111号車は2回目のピットを完了、615号車は1回目のピットを完了させたタイミングでした。

ここで回線落ちの発生によりSC(後に赤旗)が導入されます。

この時点で、111号車はライバルより多くピットを済ませていたのですが、1回目のピットでトップに対し周回遅れとなってしまったことや、ライバルに(事実上)オーバーカットされたこともあり、あまりいい流れではなかったです。

しかし、このSC(赤旗)により1ピット分のロスをゲインできたことや、この先の戦略(特にスティント時間)に幅を持たせられるようになったという点で、このSCは111号車に味方したように思いました。

一方で615号車はこのSCをただ呆然と眺めることしかできませんでした。

今回は別に損をしたわけでもないので良かったものの、SCのような外的要因は一発でレースの展開が良くも悪くもひっくり返る可能性があるので、何が一番得するのか、このままだと損しないのか色々考える必要があるのです。

それを「ドライバー交代直後だから今は何もできないよね」と思考放棄してしまったのは2つ目の反省点。

レース残り”2時間”で導入された赤旗

それからまた2時間。小さなハプニングはあったものの、大きなミスもなく順調にレースを運んでいたときのことでした。

なんとレース時間が残り2時間となったところで再びSC(後に赤旗)が導入されることになったのです。

振り返ってみれば、このSCが今回のレースのカギの90%を占めていたと言っても過言ではないかと。

残り2時間というのは絶妙な時間で、レースの神様も意地悪だなぁというか、試されてたのかと思ったりしてしまうのですが、というのも、通常1スティントは15分以上90分以下しか走れないと定められているのですが、赤旗が導入された場合は、赤旗導入時に走っていたドライバーは120分まで走れるようになるんですよね。

そして、111号車はこの時点で3回目のドライバー交代を完了。

ルール上4回のドライバー交代が義務付けられているので、もし今ピットに入って、更に赤旗が導入されれば、ドライバーの義務交代数もスティント時間も両方満たすことになり、以降ドライバー交代をせずともチェッカーを受けられるわけです。

ただ、赤旗が導入されるかはSC導入時点ではわからず、ある意味ギャンブルですよね。

そのギャンブルを避けたチームが多かったのかなと思うのですが、でも実はこのギャンブル、得することはあれど損することはないギャンブル(これをもはやギャンブルと言うのか?)だったわけです。

仮に赤旗が導入されずレース再開した場合、残り2時間のSCのタイミングでピットに入ったチームはチェッカーまで走りきることはできず、1回余分にドライバー交代をしなければいけません。

とはいえ、SC時にピットに入らなかったチームもあと1回はドライバー交代をする必要があるわけですから、赤旗が導入されなかった場合はライバルとプラマイ0になるというだけのことで、SC中にピットに入った(余分な1回になってしまった)とてロスタイムもほぼなく、損をするわけではないんですよね。

そしてもし赤旗が導入されれば、1回のドライバー交代分まるまる得をする。

結果は赤旗が導入されたので、ここでピットに動いた111号車とライバルの90号車が大きく得をしたわけですが、とにかく、

①このSC導入時までに3回のドライバー交代を終えていた

②その上でこのSC導入時にドライバー交代を行った

か否かが、今回のレースを大きく左右したと思います。

では、ここまでで3回のドライバー交代を終えていなかったチームは、SCを利用し勝利を掴む権利すらなかったのか。

と言われるとそうでもなく、615号車はまさにこのSC導入時に2回しかドライバー交代を終えていないチームでした。

そこで615号車は、とりあえずSCを利用してせめて1回は交代を消化しておこうと3回目のドライバー交代を実施。

そして、レース再開を待っていたのですが、ドライバー交代からレース再開までの間で30分ほど経過しており、

①1スティント15分以上走らなければいけないという条件も満たせていた

②レース残り時間が90分を切っており、チェッカーまで走りきれる

というわけで、再開前のSCで4回目のドライバー交代を実施。

これに関しては、①と②はそうならない可能性もあったのでたまたまではあるのですが、運が味方してくれました。

その結果、615号車もあまりロスすることなく2度ものドライバー交代を実施できたのでした。

リスタート後は111号車も615号車も非常に厳しい走りを強いられました。これに関しては、なんとか走りきってくれたドライバーに感謝。

111号車はライバルの90号車がピットに入ったのに合わせピットイン、給油とタイヤ交換を実施。

一方615号車はギャンブルに出て、ノーピット作戦を敢行。

2台ともギリギリの状況でのチェッカーだったわけですが、そんな頑張りもあってこの結果を得ることができました。

異例の優勝車両が2台

このシリーズは運営の負担が大きいレースなので、このようなレースを頑張って運営してくれた運営一同には感謝したいのですが、今ラウンドに於いては重大な問題もありまして、当事者としてこれに触れないわけにはいかないかと。

先程のリザルトを御覧頂いて疑問に思われた方もいるかもしれませんが、1位の車が2台いるわけですよ。

こういうことはレースの世界でほぼありえない話なのですが、こうなった経緯としては

①4時間経過時のSC時点で615号車は実はトップだった(後日集計した結果判明)

②一方で違う車両をトップとして扱いリスタートした

③結果、チェッカー提示のタイミングがずれ、ライバルに対し+1Lapで615号車がトップチェッカーを受けていた

という感じ。

そして、「実際に多く走っていた」615号車と、「リスタートの不手際がなければ本来は正真正銘トップになる権利があった」90号車を優勝と扱う裁定が下されました。

後者の方を補足すると、仮に実際に多く走ってた615号車を1位とし、90号車を2位とする裁定を下してしまうと、運営の不手際がなければ90号車はリスタート後に615号車を抜いて1位になれた可能性もあったのに、その権利を剥奪するだけして勝手に2位としてしまうのは問題があるよね、という話です。

このレースの集計が難しいことは元々の立場上重々理解しているので、このミスを責めるのも酷というか、責めたところで今更どうにもならないですし、裁定もある程度は妥協しないと話も進みませんし、とりあえず全て受け入れて改善案だけ提出することにしました。

ただ、めんたいチームの2台は正式に応援してくださっている企業・団体・個人がいらっしゃる訳ですから、その方々の為にも堂々の単独1位をお見せしたかったという思いはあります。

とはいえ、裁定に関してはこれ以上現実的かつ互いに納得できる案はないので、今後シリーズを円滑に、クリーンに盛り上げていくためにも、このような結果になったことはご理解いただけると幸いです。

また、私としては今レースを順位で見るのではなく、中身で見ていただきたいという思いが強いです。

もちろん最終結果がややこしい形になってしまったので順位で見てほしくないという思いもありますが、それ以上に、苦しい局面でもドライバーたちが粘り強く走り、一時は後方に沈んだものの、流れも味方につけて這い上がってきたそのレースそのものを評価していただけたら、これ以上嬉しいことはありません。

この強さを次戦でも見せつけ、正真正銘の1位をご報告できればと思っておりますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。

少しゴタゴタとしたラウンドになってしまいましたが、良いレースをできたことは間違いなく、1-3、見方を変えれば1-2を達成できたことは非常に嬉しく思います。

この結果も、応援いただいた皆様あってのこと。本当にありがとうございました。

それでは、Rd.3でまたお会いしましょう。

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