こんにちは、めんたいです。
本日は、1月30日に開催された「GWEC_GTS Rd.3 Spa」について久々の決勝レポートを書こうと思います。
エントリー
基本的にこういったレースレポートでは決勝レース以外のことを書くことはほぼないのですが、今回は前段階のところからお話しましょう。
私はそもそもこのシリーズの第1戦、第2戦にて運営メンバーの一員として携わってきました。
ただ、見ていてとても面白くだんだんドライバー・監督としての血が騒いで来ました。そこで、第3戦のスパにて自分もドライバーとして参戦しようと考え始めたわけです。
これがそのメッセージ。
この文言を見てチームメンバーたちは「あ、チームとしてエントリーするんだ」と思ったようですが、私がドライバーとしても出るよと言ったら、とても驚かれました。
まぁてっきりドライバーとしては引退しているような素振りを見せてきましたし、まさかあのめんたいが走るわけないだろう、と思うのは自然なことですが。
そうしてメンバーを無事集めることができ、主催者であるハルさんにもOKを貰えたので、チームとして参戦することを決めたわけです。
そうして集まったメンバーがこちら。
ワークス格である、チームのエースナンバーを付けた111号車も十分な体制でありますが、一緒に参戦することになった46号車のドライバーラインナップがまぁ非常に豪華。
あの国体で少年の部チャンピオンになった2名がいるわけですから、こりゃ下手なことはできないぞと監督として一層気が引き締まった瞬間でした。
全8プラン、念入りなテスト・・
勝つためにドライバー全員でかなり走り込み、私も様々なプランを検証しました。
なにせこのスパラウンドでは「スパウェザー」とも言える、天候面で不確定要素があったため、晴れでも雨でも十分に戦えるようドライバー間で綿密に連絡を取り、様々なコンディションでのテストを重ねました。
また、作戦面でも考えうる全パターンに対応するストラテジーを組み、日々改良を行いました。
天候変化にどう対応するか考えている時、現在の部屋の設定では
- コースイン時にウェットタイヤを履いておかないと、ピットで選ぶことができない
- ウェットタイヤで出走→ソフトに変更→ウェットタイヤには交換不可
ということにかなり早い段階で気づいていたので(混乱させようとして敢えて言わなかった)、仮に次ウェットコンディションになったとして、元々ソフトタイヤを履いて走っていた選手がウェットタイヤを履くことは不可能ですから、それを念頭に置いてドライバー交代の作戦を考えていました。
まぁ、結局ルームの設定が変えられ自由にウェットタイヤを履けるようになったので関係なかったんですがね。
作戦について、レースは既に終わってますし、クラウドで共有していたのでここに公開しておきます。
削除しちゃったら見れません。その時はご了承を。
そして、チームとして大切にしたのは「速さ」を補う「タイヤ戦略」。
予選一発では分があると思っていましたが、決勝ではコルベットやGTRなどのパワーマシンに加速面で苦しめられるということはわかっていました。
そこで、これまで解説者としてレースを見てきた知見から、「みな1スティントで2ピット作戦を採ってくるのではないか」と仮説を立て、だったらペースで若干劣っても「ペースをある程度維持しつつタイヤをもたせ、1ピット作戦にしよう」と決めました。その方がトータルでは速い、と判断したわけです。
最初はR8のマシン特性に苦労し、タイヤをいたわることもなかなか難しそうでしたが、入念な走り込みで「ライフ」と「ペース」の両立がかなり高い次元になったと感じました。
「耐久レース」の戦い方
さて、前日までに行われた予選結果から、めんたいレーシング111号車はポールから、46号車は3番手からスタートすることになりました。
しかし、スタート直後にコルベット2台に抜かれ、111号車はGTRにも攻め立てられる苦しい”予想通り”の展開になりました。
特に111号車はバトルに巻き込まれていた分ペースが上がらず、トップのコルベット勢には離され始めていました。
私の耐久レースにおけるポリシーは「バトルをしない」ことなので、なんとかこの状況を脱したい・・・と思っていましたが、十数周が経ったあたり、こちらも”予想通り”ピットに入り始めるライバル勢が続々現れ(つまり2ピット)、これでやっとバトルなく単走で「タイヤライフ」と「ペース」を両立させた「勝利の方程式」パターンに持ち込めた・・と安心しました。
46号車はコルベット相手にも果敢に攻めていきます。
ペースは概ね拮抗していましたが、46号車のほうがペースの落ち幅は少なく、結果として1スティント内で抜きトップに立つことができました。
やってきたことは無駄じゃなかった、むしろ大正解だった・・・とホッとしたのを覚えています。
しかし、レースはそう簡単ではありません。
幾度とトップに立ち、その安定感で後続とのマージンを築こうと、2度のSCにより毎回そのギャップはなくなり、後ろには怖いコルベットらが控えているという展開。
リスタート時には胃が痛くなりましたが、幸い1-2にめんたいの2台がいたため、2台でストレートはバンプし欠点を補い、得意のコーナー区間でライバルとの差をつける作戦を淡々と遂行。
実況では「なんで抜かないのかな?」「同士討ちを避けるためかな?」と推測されていましたが、もちろんそれはあるものの、「バトルしない」耐久レースのポリシーに従ったものでした。
こうした地道な戦い、言い換えれば己と戦ったことにより、最後には感動のフィニッシュが待っていたわけです。
総論
なんと言っても、今回はドライバーの技術や努力に大いに助けられたレースでした。
私はほんの少しだけ「耐久レースで大切にしていること」や「それをベースにした作戦」を伝えただけで、その意図を汲み取って常にベストな走りをしてくれたと思っています。
めんたいレーシングの1-2フィニッシュにより、第3戦からの途中参加だったにも関わらずチャンピオンシップの権利を残したまま最終戦を迎えることができました。
最終戦は運営に戻りますから、もう完全に私の手を離れた独立チームですが、「めんたいレーシングの耐久レーススピリット」を見せてもらえたらなと思ってます。