おまけ

この記事はレースリポートという体でありますが、一応分類上は個人的なブログなので、ここからはちょっと持論を多めに交えておまけ程度に考察を。

よく、「レースにタラレバは”ない”」と言います。

レースに限った話じゃないかもしれませんが。

これは、「そうなったことは仕方ないのだから、考えたり騒ぎ立てるだけ無駄」「結果が全て」というニュアンスで使われることが多い気がします。

ただ私は、事実上は「タラレバは”ある”」と思っていて、タラレバを考察することで得られる発見があると思っているのです。

そう考え出すとキリがないので、「タラレバはない」と慰めの呪文のように言い聞かせることはたまにありますが。

今回のケースで言えば、カートに意思はないのでこの周に壊れてやろうと思って壊れたわけじゃない。だから仕方ない。これにタラレバはない。

ただ、人間は意思で以て色々な行動をすることができます。

実際に選んだ選択肢は1つですが、選ばなかった選択肢もあります。

この「選んでい”タラ”」、「選んでいなけ”レバ”」を考察することで今後につながる何かを得られる気がするのです。

自分が選んだもののうち、一つのターニングポイントになったと思うのは「戦略の違い」

先述の通り、結果優勝したライバルチームと我々はハンデが同条件。ただ選んだ作戦が正反対でした。

もし仮に、ライバルチームと同じような戦略を採っていタラどうだったでしょうか。

今回我々が序盤にピットをミニマムでこなし、終盤に引っ張るスティントを残したのは、「レース後半の方が雨量が弱くなりコンディションが良くなる」と予想したからでした。

結果としては概ね予想通りで、レース終盤に向かうにつれ路面も水が減り、タイムも全体的に速くなっていきましたから、コンディションはたしかに良くなっていったと評価できるでしょう。

つまり、タイムが上がらない序盤にピットを多く消化し、タイムが上がり出す後半にピットロスを少なくし、良いタイムで周回をバンバン重ねる方が(雨に不慣れなドライバーが多いことを考慮しても)いいという判断です。

しかしこの戦略に欠点があったとすれば、「雨でカートが壊れるリスク」をあまり考慮していなかった点でしょう。

今回は乗り始めて5~6周目、つまり約5~6分で壊れてしまったのでどうしようもありませんでした(ハンデで10分以内にピットに戻ることはできないため)。

ただ、仮に30分の時点で壊れるカートに必ず1回当たるとした場合はどうでしょうか。

序盤にロングスティント(20~30分)を組み、終盤にショートスティント(10分~20分)を組んだ場合、序盤で故障にぶち当たることになります。

一方、我々のように序盤にショートスティント(10~20分)、終盤にロングスティント(20~30分)を組んだ場合、終盤で故障にぶち当たります。

そう考えた際、序盤であれば後半の展開次第では巻き返せる可能性は残されるものの、残り30分などの時点で急に1~2Lapsダウンになってしまったら、取り返すのは困難です。

まぁそんな30分の時点で都合よく壊れるカートなんて空想上のモノですからあり得ないんですが、しかしながら雨の中で長く連続して走れば走るだけ、水を吸って壊れてしまうリスクが高くなっていくのは事実です。

(※今回は1回の走行が終わるたびに水気を乾かすメンテナンスをスタッフさんが行ってくれていました。)

つまり今回は、”リスクのある”ロングスティントを後の展開次第で挽回しやすい序盤に置き、後半はリスクヘッジの観点からショートスティントで固めるのが良かったのかもしれません。

ライバルチームがなぜこの戦略を採ったのかはわかりませんが、こういう理由かなぁと勝手に推測してます。

というわけで、私自身も雨レースの経験が浅いがゆえ、効率ばかりを突き詰めて雨のリスクを無視してしまったのが敗因だと感じています。

そう考えたとて今回の結果は変わりませんが、というか仮に違う選択をしていても先述の通りどのみちダメだったとは思うのですが、未来のレースに活かすことができます。

だから、「タラレバに学ぶ」ために、「タラレバはある」と思う姿勢が大事なのかなぁ、と。

最後に断っておきますが、止まったことについて「メンテが悪い!」とか言うつもりは全くありません。

そもそも、雨の中でも問題なく使える仕様ではないものを無理やり使っているわけですから、壊れてしまうリスクがあるのは当然です。

なのでこれは誰が悪いとか、カートが悪いとか、そういう話ではないのです。

そして、こんなことなら雨レースを開催するな、とも全く思っていません。

こういう結果になってしまいましたが、レース全体としてはとても楽しかったですし、いつも同じようなコンディションだとつまらないですから、たまにこういうのがあって良いと思います。

大変なコンディションでしたが、レースを開催してくださった運営の皆様に感謝申し上げます。

今回も応援ありがとうございました。

それでは。